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【実は○○だった?】R&B・ヒップホップ・レゲエの違いとは?

R&B・ヒップホップ・レゲエ|実は兄弟関係だった!

さまざまなジャンルのダンスがあるなかで、ダンスを経験している人であれば、一度はR&B・ヒップホップ・レゲエの音楽を聴いたことがあるでしょう。しかし、R&B・ヒップホップ・レゲエは兄弟関係であるといわれている一方で、発祥地と音楽性に違いがあります。

R&Bとヒップホップはアメリカ、レゲエはカリブ海にあるジャマイカで生まれた音楽ですが、それぞれ生まれた年代によって、リズム感などの特徴が異なります。簡単にいうと、R&Bはかなりスローテンポでオシャレな曲調であることが多いですが、ヒップホップの場合は、ゴリゴリな印象でラップ文化が突出しています。

また、レゲエはR&Bと比較するとヒップホップよりの音楽性ですが、異質な印象があり、裏打ちが特徴的です。R&B・ヒップホップ・レゲエは一見、関連なさそうに見えても実は繋がりが深い兄弟のような存在である理由に、それぞれのルーツが共通していることが挙げられます。

特に、R&Bは音楽的な歴史から見ると、深いところにあります。そもそもR&Bという音楽は、当時はソウルミュージックとも呼ばれていました。

現代でも、昔懐かしいR&B音楽を呼ぶときに使われています。R&Bは1940年代から存在しており、60年代になってようやく世界中に知られるようになります。のちに、ソウルミュージックに影響されて生まれたのがレゲエです。レゲエは先述したとおり、ジャマイカで生まれた音楽でもともとは「スカ」というジャンルでした。

スカがスローテンポになり、ロックステディ、そしてジャマイカの宗教的思想である「ラスタ」を取り入れてできたのがレゲエです。

こうやって歴史をたどっていくと、面白い発見があって音楽の見方が変わりますよね。

R&B・ヒップホップ・レゲエの特徴

実は兄弟関係があったR&B・ヒップホップ・レゲエですが、より深く知ることでダンスの表現の役に立ちます。

それぞれのルーツを知ったうえで、次はR&B・ヒップホップ・レゲエの特徴について紹介していきます。

ジャンルに関係のあるダンサーの人は、ぜひダンスの参考にしてみてください。

R&B

R&Bとは「リズムアンドブルース」のことで、ブルースやゴスペルなどのブラックミュージックから発展した音楽です。もともとは「ブルースディスク」と呼ばれていた音楽ですが、ソウルミュージックとファンクを融合させたことにより、1980年代には現代のR&Bに進化しました。

現代でよく知られているR&Bは、活気のある都会的なリズムや打ちの強いビートとともに、ブルース感のあるメロディで歌うことが特徴です。R&Bでは、ラップが特徴的なヒップホップよりも、感情にのせて歌い上げるような曲が多く、代表的なアーティストでいえば、マイケルジャクソンやスティービーワンダーなどが挙げられます。

しかし、ブラックミュージックの一つであるヒップホップも起源をたどれば、ジャズやブルースをもとにしたR&Bになります。時代の流れにより、ジャンルが細かく分かれているため、ヒップホップソウルやネオソウルもR&Bから派生したジャンルで、すべてアフリカ系アメリカ人によって強く影響された音楽です。

最近では、現代と昔のR&Bを分けて「コンテンポラリーR&B」とも呼ばれています。電子的な音楽の影響を受けたことにより、アメリカを代表するアーティストの出現が増えています。

ヒップホップ

ヒップホップは音楽だけでなく、ブレイクダンスなどを含む文化をまとめた呼び方です。

アメリカ・ニューヨークの治安が悪いとされているブロンクス地区で、黒人やヒスパニック系の若者たちが社会に対する怒りをダンスにぶつけるために生まれた文化です。

既存の文化に対して敵視したり、批判する要素が強く、攻撃的な内容のラップで韻を踏んでいくことが特徴です。ヒップホップのルーツは、ソウルミュージックやディスコにあり、一番盛り上げる部分を繋ぎ合わせてループさせるところからオリジナルができたといわれています。

ヒップホップは細かくいえば、ラップ・ブレイクダンス・グラフィティ・DJプレイを音楽に取り入れ、最近ではITの進化によってバンド演奏がなくなっています。

しかし、ほかのダンスとは違い、ヒップホップには決まったルールがないことも特徴の一つです。バレエや社交ダンスのように規則に従って踊るようなことがないため、自分が思うがままに表現ができるメリットがあります。

また、決まった服装や道具も必要ないため、動きやすい格好であれば、好きな音楽に合わせて個性を表現しながら踊ることが可能です。現在では、中学校でもダンスが必修化されたことにより、若い世代の人にとっても身近な存在になっています。

R&Bヒップホップというジャンルもあるくらいなので、自由に表現しながら踊りたい人に向いています。

レゲエ

レゲエは原始的な音楽で、4分の2拍子にアクセントをおく裏打ちのリズムなので、頭に入りやすく覚えやすいでしょう。

また、オーソドックスなバンドで演奏されることが多く、基本的に皆で自由に踊りながら楽しむ音楽ですが、メッセージ性が強い歌詞が多く、社会や政治批判などを歌うこともあるようです。

レゲエの元をたどると、ロックステディと呼ばれるジャマイカで一時期流行した音楽で、たった数年間しか存在しませんでしたが、のちの音楽に強い影響を残しています。

そしてあまり聞きなれないカリプソは、20世紀にカリブ海周辺の国で生まれた音楽で、偶数拍のリズムが特徴的です。

レゲエが本格的に世界中で流行したのは1970年代頃で、DJ文化がヒップホップの形成に影響を与えました。そもそも「DJ」はディスクジョッキーが正式名称で、実はジャマイカ発祥の文化です。

歌が入っていない音楽に乗るように歌い始めたことから広まったとされており、ヒップホップもラップという形で音楽を作り上げています。

ヒップホップやディスコのイメージが強いDJですが、意外にもジャマイカが発祥なので、驚きですよね。

R&B・ヒップホップ・レゲエをダンスで比較してみた!

R&B・ヒップホップ・レゲエの関係性はかなり深いものであることがわかりました。たとえるなら、R&Bが一番年上、レゲエが中間、ヒップホップが一番若いといったイメージでしょう。

しかし、音楽は今でも進化し続けているので、順番はありません。3つのジャンルに共通しているのは、ブラックミュージックなので、似ているようでそれぞれ特徴を持っているような印象です。

だいたい理解できたら、次はR&B・ヒップホップ・レゲエのダンスを動画を見ながら比較してみましょう。

R&B

こちらの動画では、打ちの強いR&Bの音楽とともに、中級レベルのダンスを披露しています。

一定のテンポの曲が流れるなかで、ステップや振り付けの速度がかなり速いことがわかります。

曲がゆっくりなのに対して、振り付けのスピードに緩急があって速いので、良いコントラストを表現しています。

見ていて思わず「おお~」となってしまうようなダンスです。

ヒップホップ

こちらの動画では、ヒップホップを披露していますが、複数人で踊っているものの、一人ひとり自由に踊っていますよね。

綺麗に振り付けをうそろえるのではなく、一緒に合わせるところは合わせて、自由に踊って良いところは個性が出ています。

ヒップホップダンスの自由度に制限はないので、まさにダンス界の自由の象徴ともいえます。

レゲエ

わかりすいリズムが印象的なレゲエ音楽とあわせて踊るダンスは、拍に当たるように踊られることが多いようです。

また、レゲエダンスの特徴として、派手な衣装をまとうダンサーたちが自由に踊り、観客も楽しめるようなダンスになります。

ヒップホップのようにアクロバティック技や複雑な振り付けはほとんどないので、経験がない人でもある程度練習すれば踊れるようになります。

ジャンルの違いを理解して表現の幅を広げよう!

本記事では、R&B・ヒップホップ・レゲエの違いについて紹介しましたが、あまり知らなかった人にとっては面白い発見もあったと思います。

それぞれの違いを理解するだけでもダンスにおいて表現の幅を広げることができます。

ブラックミュージックという共通点はあっても、お互いに良い影響を与え合っている面では今後も良い音楽ができるでしょう。

もし、関連のあるダンスを経験している人であれば、今回紹介した内容をもとに新しい要素を取り入れてみると新しい発見があるかもしれませんね。

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